水晶小屋から湯俣温泉へ
日の出は5時頃なので,4時頃に蒲団からはい出します。外に出てみると満天の星空です。オリオン座をはじめ冬の星座たちが輝いています。昨日行けなかった水晶岳山頂を目指します。それほど寒くはありませんが,風が強いです。ヘッドライトを付けて出発します。
30分ほどで頂上です。明るくなってきました。今日もよく晴れそうです。
これだけよく見えれば筑波山も見えそうですが,さすがによく分かりませんでした。逆に考えると夏でも筑波山から北アルプスが見えるでしょうか?
あたりの山々の表情が刻々と変わります。
日の出を待っていましたが,地平線の雲に隠れて時間が掛かりそうなので小屋に戻ろうと下りはじめたら太陽が顔を出しましたorz。
朝日に染まる水晶岳です。
小屋に戻って朝食をいただき,今日の行き先を考えます。
当初の構想では槍ヶ岳への縦走を考えていましたが,上高地に下りてしまうと車の回収が面倒です。時間もお金もかかります。さらに,昨日から下りの時に右膝が痛みます。槍ヶ岳までは10時間近く歩かねばなりません。しかし,北アルプスに来るチャンスはそうそうないかもしれないし…
悩んだ末に,鷲羽岳を往復し昨日の道を途中まで引き返し,湯俣温泉に下りることにしました。湯俣温泉の河原を掘ってはいる野湯はちょっとおもしろそうです。
ということで,鷲羽岳に向かって出発です。
黒部の源流部です。あそこから黒部川の最初の一滴が始まります。
小屋からほぼ1時間で鷲羽岳到着です。
鷲羽池と槍ヶ岳西鎌尾根です。やはり行ってみたい思いに駆られます。
三俣蓮華岳・双六岳方面です。左奥は笠ヶ岳です。
水晶小屋にもどって湯俣を目指します。真砂岳下までは昨日のコースを戻ります。のこぎりの歯のように上り下りのある岩場のコースで昨日もずいぶん体力を消耗しました。
心配していた右膝の痛みも大きくなってきました。登りは平気なのですが,下るときに膝を曲げると痛みがはしります。ごまかしごまかし歩くのでペースが上がりません。2時間かけて真砂岳下の分岐に着きました。
ここは縦走路のすぐ下に雪渓が残っています。小屋で買った水もすでに半分飲んでしまったので,雪解け水を補給します。
さあ,ここから4時間半の下りです。長~い尾根が目の前に見えます。初めはゆるい砂地の下りですが,やがて登山道が崩れていたりして,階段やロープが設置されている所があります。慎重に下れば問題はありません。しかし,膝の痛みがだんだん増してきてペースが上がりません。
南真砂岳を越えたところで休んでいると灌木の中でがさごそ音がします。何だ!?と驚いて見てみると…
少し離れたところにもう一匹います。カップルでしょうか。標高2700mの山中でサルに出会うなんて驚きました。逃げずに物欲しそうにこちらを見ているので,パンでも投げたくなりますが,ここはお互いのためにやめておきましょう。
ここからの下りがいつもにまして長く感じました。膝の痛みに耐えきれず木の枝を探して杖にしました。これまでトレッキングポールを使う登山者にあまりよい印象を持っていませんでしたが,考えを改めねばならないなどと思いながら一歩一歩下ります。
午後5時,予定時刻を大幅に遅れて湯俣温泉の晴嵐荘に到着しました。ここはまだまだ山の中ですが山小屋に温泉があります。ヘロヘロになって登山道を歩いていた,その10分後にはお湯に入れるなんて,何と幸せなことでしょう。
| 固定リンク
« 水晶小屋 | トップページ | 湯俣温泉 晴嵐荘 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント