ミズバショウ
先日あるお宅を訪ねました。所用が終わったところで,そこの主が「裏庭に水芭蕉が咲いたから見ていけ」とおっしゃるので拝見してきました。もちろん自生のものではなく,主が数年前に植えたのだそうです。
沢沿いに純白のミズバショウが数株咲いていました。白く花のように見えるものは,仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉の変形したものです。仏炎苞の中央にある円柱状の部分が,小さな花が多数集まった花序(かじょ)です。サトイモ科の多年草です。
「水際に生える芭蕉のような葉」というところから命名された植物なのだと思いますが,芭蕉というとバナナの木や葉をイメージするので,「夏の思い出」に出てくるような可憐なイメージの水芭蕉とは結びつきませんでした。
ところが20代も終わりの頃,ある山から下りて沢沿いの道を歩いていた時に,前を歩いていた同行者が「あぁ,ミズバショウだね」と指さしました。見ると1m50cmもありそうな巨大な葉っぱが茂っていました。確かにそれは,バナナの葉のような巨大な葉でした。それ以来,私の中では,ミズバショウ=可憐な花 というイメージはとんでしまいました。
もうひとつ可憐なイメージがとぶ話を。
ミズバショウの根茎にはアルカロイド系の毒があります。まあ,食べる人もいないでしょうが,食べれば吐き気や脈拍の低下,ひどい時には呼吸困難が起こる可能性があります。冬眠明けのクマは,ミズバショウの根をわざと食べて嘔吐や下痢をして体内の老廃物を出すという話です。真偽のほどは分かりませんが(^_^;)
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