筑波山「立入禁止」看板の理由
筑波山マイナールート「立入禁止」のもう一つの理由は…
皆さんご想像の通り、「筑波山」そのものが筑波山神社のご神体だからだと思います。(私の予想です。神社の見解ではありません)
ご存じのように筑波山神社はイザナギノミコト・イザナミノミコトをお祀りし、その鎮座地は男体山・女体山です。したがって筑波山神社から山頂までが境内です。でもそのご神体には、ケーブルカーもロープウェイあるし、山頂にはお土産屋もアンテナ群もあるじゃないか…とも思うのですが。
実は、その境内である筑波山中には190余の霊場があります。霊場の多くは、巨岩や岩屋(岩の裂け目や洞窟)、小さな祠(ほこら)などです。よく目にする所では、「母の体内くぐり」や「立身石」などがそうです。そして、筑波山ではこれらの霊場での禅定(修験道)が1000年以上も前から行われてきました。そして、驚くことに今でも昔ながらの禅定が行われています。(詳しくは、「筑波山神社HP-年中行事」)
その霊場を巡る道(禅定道)とマイナールートは、かなりの部分で重なるようです。神社としては、やはり神聖な霊場をけがされたくないのだと思います。私の知人に、この禅定に参加したことがある人がいますが、参加者は白装束を着て山中を駆けめぐり、各霊場で行をするそうです。修行の最中に、俗人とばったりすれ違ったりしては洒落になりません。
私が知らないだけで、このほかにも神事として霊場や道が使われているのかもしれません。
1980年頃まで、女体山頂直下の岩場は、ロッククライミングのゲレンデとして使われていました。当時私は高校生でしたが、OBに何度か連れて行ってもらい岩登りのまねごとをさせてもらいました。その後、フリークライミングやボルダリングの波が到来し、筑波山の奇岩巨石も登られるようになりました。(山と渓谷社「岩と雪」において80年77号にその開拓の様子が記されています) しかし、白いチョーク(滑り止め)をべたべたと霊場の岩につけられては、さすがに神社も黙っていず、ついには登攀禁止となりました。
今回の「立入禁止」の看板には、「茨城県生活環境部」の名前も見えますが、今までも「筑波山神社」の名前で「立入禁止」の看板が立てられたことが何度もあります。山中で神職とばったり出会って怒られた、などという話も聞きます。(怒られたのは、私ではないですよ(^^;) しかし、入山者は増えるばかりか遭難騒ぎまでおきてしまい、今回の措置となったのでしょう。
筑波山ファンの一人としては心境複雑ですが、今回の措置は大変残念だと思っています。(口の悪い友人などは、「あの看板のせいで、かえってマイナールートの入り口がより分かりやすくなったじゃないか」などといっていますが。)
可能ならば、県・神社・環境団体・登山者などによる話し合いの場を持ち、お互い歩み寄れる所を探せないかと思っています。誰か、音頭取りをしてくれないかなあ!なんて他力本願なことを願っています。
しかし、そもそもが筑波山神社の私有地だからなあ…
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