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2006年7月21日 (金)

子ども祇園考

すっきりしない天気が続いていますが,子どもたちは今日から夏休みです。そして,この週末は各地で夏祭り(祇園)が開かれる所も多いことでしょう。

私はつくば市のすぐ近くで育ちましたが,そこでも各集落ごとに夏祭りが行われています。ただ,ここの夏祭りは子どものお祭りで,大人は表だっては参加しません。それは,今でも変わらないと思います。

祇園のお祭りに参加できるのは,小学校1年生から中学校2年生までの男子だけでした。7月に入ると中学生2年生(「おやかた」と呼ばれていました)から招集がかかり,地区の公民館に集まります。神社から出してきた神輿をそうじをしたり,太鼓の練習をしたり,リヤカーで山車を作ったりしました。これらの作業が大人の指示が一切なく行われていました。今思うと,これはちょっと驚きです。

さらにすごいことは,10万円以上集まるお賽銭とその分配です。3日間ある祇園の中日に,集落の家々を一軒ずつ御輿を担いで回り,八坂神社のお札を配ります。その時に家々からお賽銭をもらいます。500円から1,000円ぐらいが相場だったような気がしますが,それでも百軒近くある集落なので10万円ぐらいにはなりました。このお金の管理も中学生を中心とする子どもだけでした。そして,このお金は学年や役割によって差がつけられ分配されました。遠い記憶では,小学1年生の500円ぐらいから始まって,中学2年生が10,000円ぐらいだったでしょうか。

例年のことなので仕事の手順も分配金の相場もおおよそ決まっていたのかもしれません。そして,子どもだけでやっているような気でいましたが,実は地域の大人たちが支えてくれたのだと思います。それでも,分配金の金額はもとより,大人の干渉は一切ありませんでした。今,私の育った地区の祇園がどうなっているのか分かりませんが,おそらく10万円もの現金を子どもだけに預けることはしていないのではないでしょうか?

まあ,30年以上も前の話しなので,当時は大らかだったといえばそれまでですが,それ以外にもいえることがあると思います。
1)地域の子ども社会がしっかりしていた
 子どもなりの縦社会がしっかり存在していて,目標となる(魅力的な)上級生が身近にいたし,下級生の面倒もずいぶん見てやったような思いがあります。(自分で世話になったことは忘れていますが(^_^;)
 また,子どもなりの規範意識があって,ごまかしたりずるをしたり,勝手な行動を取ることは許されなかったし,破ると上級生が出ばってきて脅かされたりしました。
2)地域の中に子どもの役割があった
 
祇園祭に見られるように,地域の中に子どもの役割があり,それはそれで尊重されていた。(子どものことに口を出すほど暇な大人は,少なかった?)地域の行事でも個人の冠婚葬祭でも子どもの役割があって,今のようにお客様扱いではなかった。

最近の中学生,特に男子生徒がやたら幼く見えます。自分の年齢が上がってきたことが最大の原因だと思いますが,あの祇園の日,大人相手にお払いをしてお札を渡す中学生は,ずいぶん大人に見えたものです。

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