スプリング・エフェメラル
筑波山に行って、「秘密の花園」を見てきました。
麓では桜の花が終わる頃、筑波山の山頂周辺から北面にかけての落葉広葉樹林(ブナ、シデ、ミズナラ、コナラ…)に可憐な草花たちが一斉に咲き出します。
彼らはスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)「春のはかない命」「春の妖精」と呼ばれています。
早春の落葉した樹林の中に暖かな日が差し込む頃、この草花たちは地上に葉を広げ、太陽の光を一杯に受けて花を咲かせます。やがて樹木に新芽が出て若葉が広がり始めると次第に林内は暗くなりますが、それでも光が十分にある間に光合成を行い、その栄養を地下に蓄えます。
代表委的な植物が、カタクリ、イチリンソウ、ニリンソウ、キクザキイチゲ、アズマイチゲなどです。
今日は、風の冷たい一日でしたが薄日の差す中、筑波山中を歩いてきました。山頂部の御幸ヶ原付近では、県や観光協会がササを刈って整備したカタクリの群落が大勢の人でにぎわっていました。
しかし、私がめざすのは「秘密の花園」です。代表的な登山道から一本入った山道を進みます。今年もあの花園は健在だろうか?多少の不安を抱きながら歩を進めます。道を曲がると…、その両側は淡い紫色に染まっていました。
ほんの数ヶ月間地上に現れ、花を咲かせ、栄養を蓄え、また地下に身を潜める彼ら。はかないようで実は非常にたくましく力強いのかもしれません。
また、来年会いましょう。
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