81年前のつくばエクスプレス
本日,めでたく つくばエクスプレスが開通した。
しかし,81年前にも つくばに電車を通そうという計画があった。鉄道の名は「常南電気鉄道」。土浦から谷田部,そして水海道までの路線建設を目標としていた。その一部,小野川村今泉(現つくば市)から,谷田部町下台町を経て駒形(現つくば市)に至るまでの区間の工事が大正13年(1924年)に始められた。しかし,ついに完成を見ることはなかった。
現在,その遺構らしき物は確認できないが,谷田川に架かる橋に「電鉄橋」の名を残している。また,橋のかかる道路は,水田の中を通る道としては幅が広く直線的であることも分かる。
平成6年に竣工した橋の欄干には,鉄道の車輪がデザインされている。
道は,駒形団地まで続いている。中央奥の切り通しは,81年前に作られた物だろうか?
「常南電気鉄道」土浦-谷田部間は,なぜ完成しなかったのか? 実は,常南電気鉄道は,土浦-阿見間の工事も同時に着工していた。こちらの方は,完成し大正10年(1921年)根崎-阿見間(4.1km)を開業し,後に根崎-土浦間(0.5km)を延長している。そのため多大な建設費を必要とした会社は,谷田部地区で「デモンストレーション的な意図」によって工事を行い,谷田部の人々から株式募集を行ったのではないかとも言われている。しかし,「常南電気鉄道」は,昭和13年に廃業している。
参考:「谷田部の歴史」谷田部町教育委員会(1975年)
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